先日、自動車保険の更新ハガキが届きました。
正直に白状すると、何年か前まではろくに中身を見ずに「前年と同じで」を選んでいました。金額が毎年じわじわ上がっていたことにも、気づいていなかった。スマホ代やサブスクはあれこれ削っていたのに、自動車保険だけは聖域みたいに放置していたんです。我ながら、詰めが甘い。
先に、いまの私の状態を書きます。補償は対人・対物の賠償だけ。車両保険は外していて、保険料は年31,000円ほどです。そして毎年の更新で見るのは、たった3つの項目だけ。今日はその3つと、車両保険を外した理由を書きます。
保険は「起きたら人生が破綻すること」だけに入る
具体的な話の前に、私が保険を見直すときの物差しを書いておきます。ひとつだけです。
それは、「起きたら人生が破綻することにだけ入る」。逆に言えば、貯金でなんとかなることには、保険で備えない。この物差しで全部を判断しています。
自動車保険でいうと、削ってはいけないのは対人賠償と対物賠償です。他人を死なせてしまったり、お店に車で突っ込んでしまったりしたときの賠償で、金額が数千万円から億単位になることがあります。これは貯金ではどうにもならない。まさに「起きたら人生が破綻する」側です。だから私はここだけは無制限のまま、1円も削っていません。
一方で、自分の車が傷ついたときの修理費は、どうでしょう。痛い出費ではあるけれど、人生が破綻するほどではない。貯金でまかなえる範囲です。ここに保険をかけるかどうかが、次の話になります。
車両保険を外した理由
その物差しで考えて外したのが、車両保険でした。車両保険は、自分の車が壊れたり盗まれたりしたときに、修理代を出してくれる補償です。
外した理由は2つあります。
ひとつめは、さっきの物差しです。自分の車の修理は、貯金で直せる範囲=人生が破綻しない側。だから本来、保険の出番ではありません。修理費くらいは現金で持っておいて、壊れたらそこから出せばいい。そう考えました。
ふたつめが、知ったときにいちばん驚いた話です。車両保険は、いざというとき使うと損をしやすい仕組みになっているんです。
自動車保険には等級という仕組みがあって、事故で保険を使うと等級が下がります。私の契約だと3つ下がって、元の等級に戻るまで3年かかる。その3年間、保険料はずっと高いままです。たとえば10万円ほどの修理で車両保険を使うと、下がった等級のせいで上がる保険料の合計が、修理費の10万円を超えてしまうことが珍しくない。つまり、使うと損。かといって使わなければ、毎年の保険料は払い損です。
これに気づいてから、車両保険は「割高な修理費の先払い」みたいなものだな、と思うようになりました。それなら払うのをやめて、修理費は自分で貯めておくほうが筋がいい。そう判断して外しました。
ついでに書いておくと、これは「私の車が安いから外せた」という話ではありません。車が高い安いの問題ではなく、車両保険そのものの仕組みの話なので、わりとどんな車でも同じことが言えます。むしろ気をつけたいのは、修理費すら手元にない状態で、ローンを組んで車を買ってしまうこと。修理にも備えられないのに大きな買い物を背負うのは、順番が逆だと思っています。私は車をローンでは買いません。
なお外したあとも、対人対物は無制限のまま。人を傷つけてしまったときの備えは、何も削っていません。減らしたのは「自分の車のための補償」だけです。
毎年の更新で確認している3つ
ここからが本題の、毎年の見直しです。といっても大げさなことはしていなくて、ハガキが来たら次の3つを見るだけ。
ひとつ、走行距離の区分。自動車保険は「年間どれくらい乗るか」で保険料が変わる商品が多いんです。申告した距離より実際に乗っていなければ、区分を下げられることがある。私は通勤と休日で月700〜800kmなので、年間の区分が実態に合っているかを毎年見ます。在宅勤務が増えて乗らなくなった年などは、ここが下げどころでした。
ふたつ、特約の棚卸し。契約のときに「念のため」で付けた特約が、毎年そのまま更新され続けていることがあります。ここで2つだけ注意していることがあって、ひとつは弁護士特約。これは数百円ほどで付けられて、もらい事故などで相手と交渉するときの弁護士費用を出してくれます。出番は少ないけれど、いざというときの効きが大きいので、これだけは付けておく価値があると思っています。もうひとつが、補償の重複です。弁護士特約や個人賠償(自転車事故などの賠償)の補償は、火災保険やクレジットカード、自転車保険のほうにも付いていることがあって、気づかず二重に払っているケースがあります。一度ぜんぶ書き出して、ダブっていないか確かめると、丸ごと外せる特約が見つかることがあります。
みっつ、見積もりの取り直し。私は毎年、複数のサイトで見積もりを取って、いまの契約と比べています。代理店を通す保険から、自分でネットで申し込むタイプ(ダイレクト型)に変えると、同じ補償でも保険料が下がることがある。各社の値段は年ごとに動くので、安くなるなら乗り換えるし、いまのままが得ならそのまま続けます。
この3つを15分くらい見るだけで、放置していた頃よりはずいぶんムダの少ない家計になりました。
まとめ
見直しのいちばん大事なところは、安くすること自体ではありません。「起きたら人生が破綻すること」にはしっかり備えて、貯金でなんとかなることには払わない。その線で整えるだけです。だから対人対物を削って数千円浮かせる、という発想は私にはありません。そこを削った数千円は、一度の事故で全部吹き飛ぶどころではないので。
- 保険の物差しは「起きたら人生が破綻することだけに入る」。対人対物は絶対に削らない
- 車両保険は外す方向で考える。自分の車の修理は貯金で直せるうえ、保険を使うと等級が下がって結局損をしやすい(元の等級に戻るのに3年)
- 毎年の更新で見るのは3つ。走行距離の区分/特約の棚卸し(弁護士特約は残す・補償の重複に注意)/複数サイトでの見積もり比較
次の更新ハガキが届いたら、まずは走行距離の区分だけでも見てみてください。実際に乗っている距離と申告がずれていたら、それだけで保険料が下がるかもしれません。確認は15分もあれば終わります。
※等級や保険料の仕組み・補償内容は契約や各社・時期によって異なります。実際の見直しは契約中の保険会社や公式情報でご確認ください。


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