生活防衛費はいくら必要?43歳の私の計算式と、結局1年分置いている理由

棚の上の小さな金庫 投資・NISA

生活防衛費って、結局いくらあればいいのか。調べると「3ヶ月分」という説から「2年分」という説まで出てきて、幅が広すぎる。最初の私は、これで決められませんでした。

最初に答えだけ書いておきます。計算で出した必要額は「月の生活費×6ヶ月」で120万円。ただ、実際の口座には上乗せして1年分置いています。計算と実際が違うのは変な話なんですが、そこも含めて、私がこの金額に落ち着くまでの過程を順番に書きます。

なめていた私と、壊れた冷蔵庫

投資を始めたばかりの頃の私は、生活防衛費という考え方を、正直なめていました。手元の現金は最低限でいい、それより1円でも多く投資に回したほうが増えるはずだ。2018年、インデックス投資を始めて気が大きくなっていた私は、本気でそう考えていました。

考えが変わったのは、冷蔵庫が壊れた日です。買い替えで15万円ほどが急に必要になり、現金の薄かった私は、一瞬「積み立てた投資信託を売るか」と考えました。結局ボーナスの残りでしのげたのですが、冷静になると変な話です。たかが家電ひとつで、運用を取り崩しかける家計。そこでようやく、土台から考え直しました。

生活防衛費は「使う予定のないお金」ではなかった

まず言葉の整理から。生活防衛費は、収入が止まったり大きな出費が来たりしても、生活と投資を守るための現金です。

私は最初、「使う予定のないお金を寝かせておくなんてもったいない」と思っていました。いまは逆だと考えています。あのお金は寝ているのではなくて、残りのお金に投資を続けさせる仕事をしている。

実際、防衛費がない頃の私は、相場が下がるたびに「これを売れば現金が……」と頭をよぎっていました。防衛費を作ってからは、下がっても生活は別の財布で守られていると思えるので、売らずに座っていられます。数年前の急落のときに売らずに済んだのは、判断力ではなく、この土台のおかげでした。

私の計算式:不安要素を4つ書き出して、月数に置き換える

では、いくら必要か。誰かの目安を丸写しするのをやめて、自分の状況を書き出してみました。私の場合はこうです。

  • 会社員で、収入が翌月ゼロになる可能性は低い(自営業の方より少なめでよい)
  • 妻と2人暮らし。子どもの急な出費はない
  • 持ち家ではなく賃貸。修繕の大波は来ないが、引っ越しの可能性はある
  • 車あり。故障・買い替えという中型の出費はあり得る

これで「3ヶ月では心細い、2年は私の立場では過剰」と判断して、計算の答えは6ヶ月分。我が家の生活費は月20万円以内を目標にしているので、120万円です。

念のために書くと、この月数はあくまで私の答えです。収入の安定度と家族構成が違えば、適正な月数は変わります。自営業の方や、お子さんのいる方なら、もっと厚くてよいはずです。大事なのは誰かの目安をそのまま使うことではなくて、自分の不安要素を一度書き出して、月数に置き換えることでした。

計算の答えは6ヶ月分。でも口座には1年分ある

ここまで計算しておいて何ですが、実際の口座には、計算の倍の1年分、240万円ほど置いています。理由は単純で、私が心配性だからです。

6ヶ月分という計算は、いまでも間違っていないと思っています。ただ、やってみて分かったのは、「計算上は足りる」と「安心」って別物なんですよね。数年前の急落のとき、売らずに座っていられたのは、頭の計算ではなく「1年間何もなくても生きていける」という体感のほうでした。

なので結局、私の式はこうです。計算で最低ラインを出して、そこに自分の心配性のぶんを足す。それだけです。上乗せの分は理屈では説明できませんが、安心料だと思って納得しています。ちなみに、計算をせずに「とりあえず多めに」だけで貯めるのはおすすめしません。ゴールがないので、いつまでも投資に踏み出せなくなります。最低ラインの計算は、上乗せするためにも必要でした。

この240万円は目的別口座に分けて、ないものとして暮らしています。きっちり240万円ではなく、補填やら何やらで多少前後していますが、だいたい1年分です。

何に使っていいお金か:「事故」と「誘惑」で線を引く

金額と同じくらい迷ったのが、使いどころの線引きです。せっかく貯めても、何にでも使っていたら防衛費になりません。逆に「絶対に手をつけない」と固く考えすぎると、肝心なときに使えなくて意味がない。

私の線引きはひとつだけです。その出費は「事故」か、「誘惑」か。

冷蔵庫の故障、急な医療費、収入が止まる。こちらは事故なので、ためらわず使います。そのために置いてあるお金なので。一方、旅行に行きたい気持ちや、まだ使える家電を新しくしたい気持ちは誘惑です。これは防衛費ではなく、普段の家計とボーナスの範囲で考えます。

使ったあとのルールも決めてあります。減った分は、次のボーナスでまず補填。投資に回すより先です。土台に穴が空いたままだと、また同じ不安が戻ってくるので。

防衛費が貯まるまで、投資を止めるべきか

これもよく聞かれる悩みですが、私は両方やりました。防衛費が目標額に届くまでの間、積立額を半分に減らして、浮いた分を防衛費に回す。完成までに1年半かかりましたが、投資をゼロにしなかったので、相場に居続ける感覚も切れませんでした。

順番の正解は人によると思います。ただ、過去の私のように「防衛費ゼロで全力投資」だけは、おすすめしません。冷蔵庫は、いつか必ず壊れるので。

ちなみに、貯めた防衛費をどの口座に置いて、どう給料から自動で分けているかは、以前くわしく書きました。金額が決まったら、次は置き場所です。

まとめ

  • 生活防衛費は寝ているお金ではなく、残りのお金に投資を続けさせる仕事をしている現金
  • 金額は目安の丸写しではなく、収入の安定度・家族構成・持ち物(家・車)を書き出して月数に置き換える。私の計算は6ヶ月分=120万円
  • 計算の答えに、自分の心配性のぶんを上乗せしていい。私は1年分にして、ようやく落ち着いた
  • 使っていいのは「事故」だけ。誘惑には使わない。使ったら次のボーナスでまず補填

長く書きましたが、やることは単純で、まずは先月の生活費をざっくり出すところからです。千円単位は切り捨てで構いません。私もその雑な一歩から始めて、いまの240万円に落ち着きました。

※投資判断はご自身の責任で。数字は私個人の家計の例です。

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