ボーナスの手取りが思ったより少ない理由。43歳が明細の「引かれている4つ」を確認してみた

給与明細と電卓のあるデスク 税金・確定申告

職場の後輩(27歳)に、こう聞かれました。「ボーナスって、なんでこんなに引かれるんですか」。

聞けば、ボーナス自体はもう何回ももらっているのに、明細をまじまじ見たのは今回が初めてだったそうです。振込額しか見ていなかったから、額面との差に今さら気づいてショックを受けたと。笑えませんでした。私も20代の頃はずっと振込額しか見ない人間で、初めて明細を見た日に「2割も誰が持っていったんだ」と思った口です。

ただ、その場でちゃんと説明できるかというと、怪しい。帰宅して、自分の過去の明細を引っ張り出して、改めて確認してみました。今日はその整理です。

引かれているのは、基本的にこの4つでした

明細の控除欄に並んでいたのは、次の4つです。

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 所得税

上の3つが、いわゆる社会保険料。毎月の給料と同じように、ボーナスからも引かれます。そして所得税。合計すると、私の明細ではだいたい額面の2割強が引かれていました。割合は収入や年齢、加入している保険で変わるので、正確なところはご自身の明細と公式の情報で確認してください。

ちなみに40歳を過ぎると介護保険料も加わります。私は43歳なので、後輩より1項目多く引かれている計算です。これは明細を並べて見るまで、自分でも意識していませんでした。

「住民税がいない」ことに気づくと、明細が面白くなる

確認していて、後輩への説明に使えそうな発見がひとつありました。ボーナスの控除欄には、住民税がいないんです。

毎月の給料からは住民税が天引きされているのに、ボーナスからは引かれない。住民税は前年の所得に対して計算された年額を、6月から翌年5月の毎月の給料で12分割して払う仕組みだからです。ボーナスは分割の対象に入っていません。

そのかわり、と言うべきか。今年のボーナスが増えると、来年の住民税が増えます。ボーナスをもらった瞬間は引かれず、1年遅れて毎月の給料側に乗ってくる。ちょうど6月の給与明細で住民税の額が変わる話を先日書きましたが、あの変動の正体の一部は、去年のボーナスだったりするわけです。

この時間差を知ってから、私はボーナスの「使っていい額」を少し控えめに見積もるようになりました。目の前の振込額のうち、いくらかは来年の税金の先払い要員だと思っておく。地味ですが、翌年6月のダメージが減ります。

引かれた分は、全部消えるわけでもない

ここまで「引かれる」話ばかりでしたが、公平のために逆側も書いておきます。

引かれた中身のうち、厚生年金保険料は、将来受け取る年金額の計算に反映されます。ボーナスから年金保険料が引かれるようになったのは2003年からで、それ以前はボーナスは年金額にほぼ関係ありませんでした。今は賞与も含めた収入で将来の受取額が決まる仕組みです。つまり、あの2割の一部は「消えた」のではなく「老後の自分への送金」が混ざっている。

……と頭では分かっていても、振込額を見た瞬間は、やっぱりちょっと悔しいんですけどね。30年後の自分に「ちゃんと受け取れよ」と念を送っています。

それと健康保険料も、病院の窓口で3割負担で済んでいる土台です。私は30代後半に外貨建て保険で数十万円損した人間なので、「保険」という言葉に身構える癖があるんですが、社会保険は民間保険と違って、損得の前にまず土台。ここを混ぜて考えていた時期は、お金の判断がずいぶん雑でした。

後輩に話した、たったひとつのこと

後日、後輩には明細の4項目の話をしたうえで、ひとつだけ付け加えました。「引かれた分の中身が言えるようになると、悔しさが半分になるよ」と。

引かれている額は変わらないのに、不思議なものです。正体不明の2割は腹が立ちますが、内訳の言える2割は「そういう仕組み」として受け取れる。20代の私に教えてあげたかった感覚です。

ついでに白状すると、私はその後、浮かれて使い道を間違える失敗も一通りやっています。ボーナスを当てにしない家計にした経緯は以前書いたので、手取りの次は使い道、という方はそちらをどうぞ。

まとめ

ボーナスの手取りが少なく感じる正体は、社会保険料3つ(40歳以降は介護保険も)と所得税でした。そして住民税はその場では引かれず、1年遅れて毎月の給料に乗ってくる。

明細は、見ても1分で終わります。でもその1分で、来年の自分への置き手紙くらいは読める。次のボーナスの日は、振込額の前に控除欄を眺めてみてください……と言いたいところですが、まずは私が、夏の明細でもう一度確認するところからです。

※税や保険料の仕組みは2026年6月時点の一般的な内容です。正確な金額・制度は給与明細とお勤め先、公式情報でご確認ください。

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