医療費控除の10万円ルール、領収書を整理して気づいたこと

領収書の束と封筒と電卓・医療費控除の整理のイメージ 税金・確定申告

確定申告の時期になると、私は1年分の領収書を封筒から全部出して、ざっと床に並べます。やってみると、医療費の領収書が思ったよりたまっている年があります。今日は、その整理のときに毎年確認している「医療費控除の10万円ルール」の話です。

先に正直に書いておくと、私自身は、まだ医療費控除を使ったことがありません。これまで、家族も自分も、大きな治療費がかからずに済んできたからです。それでも、仕組みだけは毎年確認しています。使う予定がなくても、知っておくと、いざというときに取り返せるお金だからです。

医療費控除の「10万円ルール」とは

ざっくり言うと、1年間(1月から12月)に払った医療費が10万円を超えると、その超えた分が所得控除の対象になり、税金が戻ってくる可能性がある、という制度です。保険などで補填された分は差し引いて考えます。

大きいのは、これが家族分も合算できることです。生計を同じくしている家族なら、まとめてひとりが申告できます。共働きでも、医療費を合計して、税率の高いほうがまとめて申告したほうが得になることが多い。ここは見落としやすいポイントだと思います。

ひとつ補足すると、総所得が200万円未満の人は、基準が「10万円」ではなく「総所得の5%」になります。自分がどちらに当てはまるかは、国税庁のサイトで確認するのが確実です。

金額の感覚も書いておきます。たとえば、その年の医療費が15万円かかった人で、所得税と住民税を合わせた負担が2割くらいなら、10万円を超えた5万円の2割、年に約1万円が戻る計算になります。税率は人によって違うのであくまで一例ですが、領収書を取っておくだけで戻ってくるなら、やらない理由はあまりありません。逆に、医療費が10万円を1円も超えなければ、ここは関係ない、というシンプルな話でもあります。

領収書を整理して気づいた、対象になるもの・ならないもの

並べてみて意外だったのは、対象になる範囲が思ったより広いことでした。通院のための電車やバス代、歯の治療、処方薬はもちろん、市販薬の一部や子どもの治療費も対象になります。「病院で払ったもの」だけだと思っていると、取りこぼします。

ただし、同じ「通院の交通費」でも線引きがあります。電車やバスのような公共交通機関なら対象になりますが、自家用車のガソリン代や駐車場代は、原則として対象外です。このあたりの細かい区別は、私も一度に覚えたわけではなく、領収書を整理しながら毎年少しずつ確認しています。

逆に、対象にならないものもはっきりしています。人間ドックや健康診断のような「予防」、美容目的のもの、健康増進のためのサプリメント。ここは私自身、勘違いしていました。私は歯や検診といった予防にはお金をかけているほうなのですが(このあたりは歯は資産という話に書きました)、予防は基本的に医療費控除の対象外です。

ただし、ここにも例外があって、人間ドックで病気が見つかって、そのまま治療に進んだ場合は、その検査費用が対象になることもあります。このあたりは線引きが細かいので、迷ったら税務署や国税庁の情報で確認するのが安全です。

10万円に届かない人の「もう一つの道」

私のように、医療費が年10万円に届かない年が多い人にも、別の選択肢があります。セルフメディケーション税制という仕組みで、対象の市販薬を年1万2千円より多く買っていれば、その超えた分を控除できる場合があります。

ただし、これは通常の医療費控除とは「どちらか一方」しか選べません。10万円に届かないけれど市販薬はよく買う、という家庭なら、こちらのほうが効くこともあります。自分の家計がどちらに向いているかは、1年分の領収書を見れば見当がつきます。

使う予定がなくても、私が今からやっていること

では、まだ使ったことのない私が何をしているかというと、ひとつだけです。医療費の領収書を、1年分まとめてひとつの封筒に放り込んでおく。それだけです。分類もしません。

1年が終わって、もし医療費が多かったと感じた年だけ、その封筒の中身を出して、合計が10万円を超えているかを確認します。超えていなければ、そのまま捨てる。10分もかからない作業です。

これだけで、いざ家族の入院や手術で医療費がかさんだ年に、慌てずに申告できます。申告の操作そのものは、難しくありません。私はふるさと納税をe-Taxで申告したときと同じ要領で、家から入力するつもりでいます。

医療費控除は、「今、使う予定がある人」だけの制度ではありません。むしろ、使う予定がないときに「領収書を捨てない」という、たったひとつの習慣だけが、いざというときの分かれ目になります。私は今のところ使っていませんが、封筒だけは、毎年ひとつ用意しています。

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