申請しないともらえないお金がある。親の「もしも」に備えて調べた公的給付

昼の机に置かれた書類とペン 節約・生活費








先日、夏の帰省で親とお金の話をしたことを書きました。そのとき、いろいろ調べているうちに気づいたことがあります。世の中には、「申請しないと、1円ももらえないお金」が、思ったよりたくさんあるんです。

役所や保険は、「あなたはこれをもらえますよ」と、わざわざ教えてはくれません。知って、自分で手続きをした人だけが受け取れる。今日は、私が親のもしもに備えて調べてみた「申請すればもらえるお金」を、いくつか書きます。私自身がまだ申請したわけではありませんが、いざというときに家族が困らないよう、知っておいて損はないと思ったので、まとめておきます。

きっかけは、親とお金の話をしたこと

この前、帰省したときに、両親と「もしものときのお金」の話を初めてしました。通帳や保険証券が、どこにあるのかを聞いておこう、という程度の話です。その様子は、夏の帰省で、親のお金の話を初めてした話に書きました。

ただ、その流れで自分でも調べてみると、「もらえるはずなのに、知らずに申請しないままの人が多いお金」が、いくつもあることを知りました。親のことだけでなく、いずれ自分にも関わってくる話です。恥ずかしながら、この歳になるまで、ほとんど知りませんでした。

もしものとき、「申請すれば」受け取れるお金

まず、家族が亡くなったときに関わるものです。

葬祭費・埋葬料。健康保険から、葬儀にかかったお金の一部が出ます。会社員などの健康保険なら「埋葬料」と呼ばれ、こちらはおおむね一律5万円。国民健康保険や後期高齢者医療の「葬祭費」は、自治体によっておおよそ3万〜7万円ほどです。金額や条件は加入している保険・自治体で違うので、正確なところは窓口で確認してください。いずれにしても、申請しなければ出ません。

未支給年金。年金を受け取っていた人が亡くなると、まだ受け取れていない最後の分を、生計をともにしていた遺族が請求できます。手続きをしないと、そのままになってしまいます。

遺族年金。家計を支えていた人が亡くなったとき、残された家族に支給されるものです。誰がどれだけ受け取れるかは条件が細かいので、ここでは深入りしません。ただ、「そういう制度がある」と頭の隅に置いておくだけでも、いざというときの動き方が変わってきます。

入院や医療費が高くなったとき

次に、病気や入院でお金がかかったときのものです。親が高齢になると、ここはとくに気になります。

高額療養費。1か月にかかった医療費の自己負担が、決められた上限を超えると、超えた分があとから戻ってきます。たとえば入院や手術で窓口の負担が30万円になったとしても、この制度を使えば、実際に自分が払う額は、その一部で済みます。上限は所得によって変わり、制度そのものの見直しも予定されているので、具体的な金額は、そのとき加入している健康保険で確認するのが確実です。さらに、前もって「限度額適用認定証」を用意しておけば、窓口で払う金額そのものを、はじめから上限までに抑えられます。入院が決まったら、まずこれを確認するだけで、支払いがずいぶん楽になります。

高額介護サービス費。介護保険を使ったときの自己負担にも、同じように上限があり、超えた分は戻ってきます。親の介護が始まると、じわじわ効いてくる制度です。

ちなみに、働いている自分が病気で長く休むことになったときには、傷病手当金という制度もあります。これは以前、傷病手当金とは?病気で働けないとき、会社員がもらえる公的な収入保障に書いたので、そちらにゆずります。

共通するのは「自分で動かないともらえない」

こうして並べてみて、はっとしたことがあります。どれも、役所や保険会社の側から「あなたはこれをもらえます」とは、教えてくれないんです。

制度は、知っている人が、自分で手続きをして、はじめて受け取れる。逆に言えば、知らなければ、もらえるはずのお金を、まるまる取りこぼしてしまう。ここまで書いていて、少し情けなくなりました。ふだんスーパーで数十円の値上げには目ざとく気づくくせに、数万円の給付を、知らないというだけで逃していたかもしれない。節約のつもりで小銭を追いかけている横を、大きなお金が静かに通り過ぎていた、というわけです。

私が、いまのうちにやっておこうと思ったこと

調べてみて、私が「元気なうちにやっておこう」と思ったことは、シンプルでした。

ひとつは、前の記事に書いたとおり、親の通帳や保険証券、年金の書類が「どこにあるか」を聞いておくこと。もうひとつは、こういう給付があるという存在だけでも、頭に入れておくこと。細かい金額や条件は、そのときになってから、市区町村の窓口や年金事務所、加入している健康保険に聞けば、ちゃんと教えてもらえます。大事なのは、金額を暗記することではなく、「そういえば、あれがもらえるはずだ」と、いざというときに思い出せることだと思っています。

まとめ:知っておくだけで、家族を守れる

申請しないともらえないお金は、知識がそのままお金になる、めずらしい分野です。難しい投資も、面倒な節約もいりません。ただ「知っていて、いざというときに手続きする」。それだけで、家族が受け取れるお金を、取りこぼさずに済みます。

私もまだ、実際に手続きをしたわけではありません。それでも、親とお金の話をしたおかげで、こういう制度があることだけは知ることができました。私がやったのは、親の書類のありかを聞いて、あとは「そういうものがあるらしい」と頭の隅に置いただけです。細かい中身は、そのとき窓口で聞けばいい。知らないままにしておかない。それだけで、いざというときに家族が見る景色は、だいぶ変わるはずです。

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