「保険に入っていて一人前」と思っていた時期がありました。
今は自信を持って「保険は何も入っていない」と言えます。
最初に書いておくと、私が保険ゼロになるまでに払ってきたのは月6万円。
内訳と、どうやってこれだけの保険を抱え込んだのか、1つずつ書きます。
入っていた保険、4つの内訳
きっかけは、20代後半に知人から紹介された「FP」を名乗る保険販売員でした。
当時の私はマネーリテラシーゼロ。「FP(ファイナンシャルプランナー)」という肩書を信用しきって、その人の言うままに、数ヶ月の間に3つの保険を立て続けに契約しました。
後でわかったのは、その人は実態としては保険販売員で、特定の保険会社の商品を中心に勧める立場の人だったということです。
「中立的なアドバイス」だと信じ込んでいたのが私の大きな勘違いでした。
ユニットリンク:月27,000円
これが一番のお荷物でした。
FPから「投資と保険を1つにまとめられる優れた商品」と勧められて、何の疑いも持たずにサイン。
10年以上払い続けたんですが、後で運用の中身を知った時に愕然としました。手数料が約90%。私が払ったお金のほとんどは、運用ではなく保険会社の取り分として消えていく構造でした。
個人年金保険:月15,000円
同じFPに「税控除で得ですよ」と勧められたものです。
年末調整で個人年金保険料控除を受けられる、というのが売り文句でした。月15,000円払って、所得税・住民税で還付されるのは年間およそ8,000円。
ただし、これは10年以上払って初めて受け取れる商品で、今すぐお金が必要な時には解約しても元本割れする。
還付8,000円のために月15,000円を縛られているのが本当に得かどうか、計算してみたら答えは出ました。
外貨建て保険:月15,000円
これも同じFP経由。「米ドル建てだから金利が日本円より高い、保障もある」と勧められて加入しました。
実際は、為替リスクと諸経費を考えると、円換算でほとんど元本割れする可能性が高い構造でした。為替差益と為替差損が両方乗ってくる前提で、運用コストも円建てより高い。
当時の私は為替の仕組みを理解しないまま、「ドル建て=安全」と思い込んでいました。
(この外貨建て保険を解約した経緯は、別の記事で詳しく書きました → 10年以上払った貯蓄型保険を解約した話)
会社のグループ保険:月3,000円
これは別経路。会社のセミナーで勧められた団体保険で、入院日額が出るタイプの一番安いコースに入っていました。
「会社員だけが入れる安い保険」という売り文句に、なんとなく加入。
ただ、内容を見返すと、今の入院は短期化していて、入院日額の保障はカバー範囲が狭いことに気づきました。
合計4つの保険で、月6万円。年72万円。10年で720万円。
これだけのお金を「保険」という名前で払い続けていた事実に、ある日ぞっとしました。
リベ大で数字が腹落ちした

見直しのきっかけはリベ大(リベラルアーツ大学)です。
YouTubeチャンネルで、保険の本質を1から学び直しました。
最初は理解できませんでした。
「保険は安心料」と長年思ってきた自分の常識がひっくり返るような内容ばかりだったので。
でも、公的保険・高額療養費・年金の仕組みを学ぶうちに、数字で考えると保険が必要ない、という結論に腹落ちしていきました。
そしてもう1つ、衝撃だったこと。
私を保険漬けにしてくれた「FP」を名乗る人物の実態です。
日本で「FP」を名乗るのに資格は必須ではありません。生命保険販売員が「FP」という肩書を使って、中立的なアドバイザーを装うのは、よくある営業手法だと知りました。
本当に中立なアドバイスがほしいなら、保険を売らない「独立系FP」に有料で相談すべきだったんです。
解約は「コールセンター」から、まとめて
腹落ちしたら、行動は早かった方だと思います。
4つの保険を、1年ちょっと前にまとめて解約しました。
ただし、解約は一筋縄ではいきませんでした。
最初に営業担当に電話したら、案の定、引き止めにあいました。
「今解約したら損ですよ」「あと数年続ければ返戻金が増えますよ」「お子さんができたらどうしますか」と、次から次にトークが繰り出される。さすがプロです。
ここで、調べて知っておいて良かった事実があります。
生命保険の解約は、保険法第54条で「保険契約者は、いつでも生命保険契約を解除することができる」と明確に定められています。
営業担当が解約を引き止めるのは「営業上のお願い」であって、法律上、契約者がそれに従う義務はありません。
もし「直接お会いして手続きしてください」と言われたら、「約款のどこにそう書いてありますか?」と聞き返してみてください。
書かれていません。約款にも法律にも、契約者が営業担当と対面しなければ解約できない、というルールはどこにもないんです。コールセンターでの電話受付や、書類を郵送してのやり取りで完結する手続きが、ちゃんと用意されています。
私はその場で「考えます」と一度引き下がり、後日コールセンターから直接解約申し込みをしました。
これが正解でした。コールセンターの担当者は営業マンではないので、過剰な引き止めはありません。書類を郵送してくれて、必要事項を記入して返送するだけで、手続きが完了しました。
返戻金の合計は、4つ合わせておよそ400万円ちょっと。
払った総額720万円に対して400万円。残りの300万円以上は、私が知らないところで、運用コストと保険会社の利益として消えていきました。
やめて1年ちょっと、資産は明らかに伸びた
解約してから1年ちょっと経ちます。
返戻金400万円のうち、200万円はSBI証券のNISAつみたて投資枠でS&P500に入れました。残り200万円は特別費の補充と生活防衛資金に回しました。
さらに、それまで月6万円払っていた保険料の代わりに、まずは月3,000円の掛け捨て生命保険だけ残し、差し引き月57,000円が丸ごと家計に戻ってきました。
(注:その後、子なし共働きの私たちには掛け捨ても不要と判断し、結局それも解約しました。詳しくは別の記事に書きました → 保険を見直したら、必要なのは3つだけだとわかった)
1年経った今、資産は明らかに伸びています。
月57,000円が丸ごと投資や貯蓄に回るようになったのですから、当然かもしれません。
保険の本質
保険の本質は「めったに起きないが、起きたら人生が破綻するものにかける」ことだと思います。
私は妻と2人暮らしで子どもがいません。妻にも収入があるため、私たちの場合は死亡保険は不要、と判断しました。
高額療養費や健康保険組合の付加給付があるので入院保険も不要。
自分の状況を整理すると、必要な保険がゼロでした。
ただし、すべての保険が不要というわけではありません。
私自身、自動車保険と火災保険には加入しています。もし子どもがいれば収入保障保険も必要でしょう。
自分の状況に合わせて考えることが大切です。
「世捨て人みたい」と言われて気づいたこと
保険をやめたと話すと「保険ゼロなんて初めて見た」「世捨て人みたい」と言われることがあります。
そのたびに思います。
保険って本当にすごい。長年かけて「保険は必要なもの」という刷り込みが社会全体に広まっている。
私もそのひとりに乗せられました。
自分の経験が誰かの参考になればと思っています。
まとめ
- 「保険料控除で得」は錯覚。無駄遣いから一部が返るだけ
- 「FP」を名乗る人にも要注意。保険販売員が肩書として使うケースがある
- 解約は保険法第54条で守られた権利。営業の引き止めに従う義務はない
- 「直接お会いして」と言われたら「約款のどこに書いてある?」と聞き返してみる
- 保険は「人生が破綻するリスク」にだけかけるもの
- 自分の状況を整理すれば、必要な保険は意外と少ない
- リベ大の動画でゼロから学び直すのもおすすめ



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