10年以上払い続けていた貯蓄型保険を解約した話を書きます。
解約したのは、ちょうど1年ちょっと前。あれから日が経って、結果が見えてきたので振り返ります。
先に結論だけ書いておきます。
貯蓄型保険は絶対に解約したほうがいい、というのが今の私の意見です。
以前、保険全体の見直しを書いた記事(→ 保険を見直したら、必要なのは3つだけだとわかった)の中で、「貯蓄型保険を解約した」と1段落だけ触れました。
今日はその貯蓄型保険編を、解約から1年が経った今の数字と一緒に、改めて単独で書きます。
加入していた保険の中身
20代後半、知人から紹介された「FP」を名乗る保険販売員に勧められて、貯蓄型の生命保険に入りました。
月々の保険料は15,000円くらい。死亡保障と医療保障に加えて、「貯蓄性もありますよ」という説明で勧められたタイプの保険です。
10年以上払い続けて、解約返戻金の累計は、おおよそ200万円ちょっとの見込み。
ただこの200万円は「解約してようやく戻ってくるお金」で、もし途中で解約していたら、払った保険料よりだいぶ少ない金額しか戻ってきません。
入った瞬間からしばらくは「人質」みたいに資金が拘束される。これが貯蓄型保険の最初の癖です。
ある日、家計簿アプリで気づいた
きっかけは、家計簿アプリで固定費を眺めていた夜です。
毎月15,000円。年18万円。10年で180万円。
「これ、もし全部インデックスファンドに突っ込んでたら、いくらになっていたんだろう」と、ふと計算してみたんです。
過去のS&P500の年平均リターンを仮に7%として、毎月15,000円を10年積み立てた場合のシミュレーション。
出てきた数字は、おおよそ260万円。
保険の解約返戻金200万円と比べると、約60万円の差です。
もちろん、シミュレーションは「もし」の話で、過去のリターンが将来を保証するわけではありません。
ただ、この瞬間にもう一つ気づいたことがあって。
「これって、保険のフリをした投資信託じゃないか?」と。
貯蓄型保険の正体:薄い保険とぼったくり投信の抱き合わせ

調べていくうちに分かったのは、貯蓄型保険の中身は、おおまかに2つの要素でできているということです。
ひとつは「保障」の部分。死亡保障や医療保障に充てられているお金。
これは、掛け捨ての生命保険を別途買えば、月数千円で同等以上の保障が手に入ります。
要するに、貯蓄型保険の「保障」部分は、効率の悪い、薄い保険です。
もうひとつは「貯蓄性」の部分。これが正体で言うと、保険会社が運用している投資商品です。
ただし、運用コストが極めて高く、自分で個別に投資信託を買う場合と比べて、手数料・諸経費の構造がぼったくりに近い。
私たちは自覚しないまま、この高コストな運用商品を、保険料という名前で毎月買わされていました。
つまり貯蓄型保険は、「薄い保険」と「ぼったくり投信」を抱き合わせで売っている商品。
自覚はないけれど、私は10年以上、毎月15,000円のぼったくり投信を買い続けていたのと同じだった、というのが、解約を決めた瞬間に腹落ちした事実です。
決め手:貯蓄は貯蓄、保険は保険、それぞれ分ける
最終的に背中を押したのは、「貯蓄と保険は絶対に分けるべき」という考え方でした。
保障が必要なら、掛け捨ての生命保険を必要な額だけ買えばいい。月数千円で大きな保障が得られる。
貯蓄が必要なら、NISAなり預金なり、流動性のあるもので運用すればいい。
この2つを1つの商品にまとめている貯蓄型保険は、両方の効率を中途半端にしているだけで、「便利」でも「お得」でもありません。
保険会社にとってお得な商品、というのが正確なところです。
解約してからの1年、返戻金の使い道
解約してすぐは、生命保険の代わりに月3,000円くらいの掛け捨て生命保険に切り替えました。
死亡保障は同等以上、医療保障は会社の福利厚生でカバーできる範囲だったので、ほぼ削っています。
差し引きで毎月12,000円の固定費削減。年間で約14万円。
ただ、最近、これも本当に必要なのか考え直しています。
妻と2人暮らしで子どももいない。妻にも収入があって、万一私に何かあっても、妻が経済的に困窮するリスクは、客観的に見て低い。
そう考えると、月3,000円の掛け捨ても、いまの私たち夫婦には不要なんじゃないか、というのが最近の私の考えです。
このあたりは結論が出たら、また別の記事で書きます。
そして、解約返戻金の200万円。
このお金の使い道は、私の中ではほぼ即決でした。
迷わず、そのままSBI証券のNISAつみたて投資枠で、S&P500のインデックスファンドに入れました。
分割せず、特別な作戦も組まず、月の積立とは別に、できる範囲でまとめて入れた。
1年経った今、この200万円分は数万円のプラスです。
劇的な利益ではありません。でも、貯蓄型保険の中で「死蔵」されていたお金が、ちゃんと「働くお金」に変わったという事実は、家計に対する気持ちを大きく変えました。
返戻金を握りしめてS&P500やオルカンのインデックスファンドに入れる。これは貯蓄型保険を続けることの完全な上位互換です。
私の場合はS&P500を選びましたが、オルカンでもまったく問題ないと思います。
10年以上払って、解約。結論
最後にもう一度、はっきり書いておきます。
貯蓄型保険は、解約していい商品ではなくて、解約すべき商品です。
人によって判断が違う、という類の話ではない、と私は思っています。
10年以上払い続けたお金が、もし最初からインデックスファンドだったら、もう少し増えていたかもしれない。
これは事実だと思います。
でも、過去は変えられないので後悔しても仕方ない。
変えられるのは「これからの毎月」と「いま手元にある解約返戻金」だけ。
貯蓄型保険を続けている人が今すぐ取れるアクションは、たった2つです。
今月中に解約手続きを進める。
返戻金が戻ってきたら、迷わずそのままインデックスファンド(S&P500やオルカン)に入れる。
これが、私が10年以上の遠回りの末にたどり着いた、いちばんシンプルな結論です。
払い続けることが目的になっていた自分に気づくまでに、10年以上かかりました。
この記事が、同じ遠回りをしている誰かの背中を押せたら嬉しいです。


