高配当株を持っているので、年に何回か、配当金がポチポチと口座に入ってきます。
入金通知が届くと妻もちょっと機嫌が良くなる、というのが我が家の風物詩です。
その配当金、長年「源泉徴収で勝手に税金が引かれる」という状態のまま放置していました。
特に疑問もなく、それがいちばん楽な選択だと思い込んでいたんです。
そんなある夜、YouTubeを流していたら「確定申告したら配当金の税金が戻ってきました」みたいな動画が目に入りました。
他人事として聞き流していい話か、自分にも関係ある話なのか、その時はよく分かりませんでした。
とりあえずClaudeに、自分の状況を投げて聞いてみることにしました。
Claudeに「自分の場合どう?」と聞いた
「年に何回か配当金が口座に入ってくる。源泉徴収のままにしているけど、確定申告したら戻ってくる可能性ある?」
ぼんやりした質問でしたが、Claudeはその場で、私の家族構成と年収レンジを使って、ざっくり試算を出してくれました。
「総合課税で確定申告した場合、配当控除がこれくらい効くので、戻ってくる金額は年間でだいたいこの範囲です」
「さらに、確定申告の還付申告は過去5年分まで遡れます」
過去5年分。
画面を見ながら、二度見しました。
一年分だけだと思っていたものが、五年分ずらっと並んでいる。
合計すると、最初に動画を見た時に想像していた金額の、何倍にもなる、というのが具体的な数字として出てきました。
これは慌てます。
動画をぼんやり眺めていた時とは、もう温度が違いました。
書類を読み上げて、わからない時はスクショで送った

ここから先、私がやったのは、Claudeに次々と聞かれたことに、ひたすら答えていっただけです。
「源泉徴収票の所得欄の数字を教えてください」
「証券会社から届いた年間取引報告書はありますか?配当金の合計額を見てください」
「過去5年のうち、ワンストップ特例ではなく、ふるさと納税の確定申告を自分で提出した年はありますか?」
聞かれた書類を取り出して、書いてある数字を答える。
それだけで、Claudeが「この年はこの金額、この年はこの金額、合計でこれくらい戻る可能性があります」と整理してくれました。
書類のどこを見ればいいか分からないときは、書類そのもののスクショや写真をClaudeに送って、「これのどの欄を読めばいいですか」と聞きました。
そうすると、画像を見たうえで「ここの数字を教えてください」と的確に返してきます。
紙の書類を前にして自分一人で勉強しようとすると30分かかる作業が、聞いて答えるだけで5分で終わる感覚でした。
私の役目は、自分の手元の書類を確認して数字を読み上げることと、わからない時にスクショを送ることだけ。
最終的に税務署に出す書類は自分で作りますが、その手前の「どこに何を入れるか」は、Claudeとのやり取りで全部見えていました。
そして、致命的な失敗に気づきました
過去5年分、全部取り返せると思っていた矢先、Claudeから一つ質問されました。
「過去5年のうち、ワンストップ特例ではなく、ふるさと納税の確定申告を自分で提出した年はありますか?」
…ありました。
2年分、ふるさと納税の控除のために自分で確定申告書を出していました。
このときのClaudeの説明は、正直、聞きたくない内容でした。
「確定申告書を提出した年について、その申告書に配当金を含めなかった場合、その時点で『配当は申告不要を選んだ』として確定します。後から更正の請求や修正申告で、配当金を追加することはできません」
つまり、自分で確定申告書を出していた2年分は、配当金の還付を取りに行く道が、もう塞がれていたんです。
過去5年のうち、確定申告を自分で提出していなかった3年分(ワンストップ特例で済ませた年も含む)は、期限後の還付申告でまだ間に合う。
でも、自分で確定申告書を出した2年分は、もう手遅れ。
これを知った時の、悔しさ。
ふるさと納税で確定申告するときに、その紙の上に配当金の欄を一行追加しておくだけで、何万円も還付されていたはずなのに、私はそこを空欄のまま、何年も提出していました。
「もっと早く知っていれば」という後悔と、「それでも3年分は取り返せる」という安堵が、同時にやってきました。
3年分、無事に取り返せた
その後の手続きは、思ったよりあっさり進みました。
過去3年分の年間取引報告書を集めて、それぞれの年の還付申告書を作って、税務署に郵送するだけ。
書類の作り方はClaudeに聞きながら進めて、申告書を出してから数週間後、それぞれの年の還付金が、本当に口座に振り込まれました。
何もしなければ、永久に戻ってこなかったお金です。
ちなみに、数年前に貯蓄型保険を解約した時も同じ感覚でした(→ 保険を見直したら、必要なのは3つだけだとわかった)。
お金の仕組みって、調べてみると「払わなくて良かったもの」「もらえたはずのもの」が、自分の知らないところに結構あります。
知っておくと得する注意点(私が事前に知りたかったこと)
私の失敗から、これから配当金の還付申告を考える人に向けて、注意点を3つだけ。
1つ目。過去にワンストップ特例ではなく、確定申告書を自分で提出した年(ふるさと納税の確定申告・医療費控除など)は、その年の配当金はもう取り返せない。出した申告書に配当金を含めなかった時点で「申告不要」を選んだことになる、というルールです。ふるさと納税でも、ワンストップ特例を使って確定申告を出していない年なら、あとから配当金の還付申告に踏み込めます。これを知らずに何年も放置すると、私のように、自分で申告書を出した年だけ、まるごと取りこぼします。
2つ目。確定申告を出していない年は、過去5年分まで遡って還付申告できる。早めに動くほど取り返せる年数が多い。
3つ目。2023年分(2024年に出す申告)から、所得税と住民税の課税方式を一致させなければならなくなった。総合課税を選ぶと住民税側でも総合課税扱いになる。国民健康保険料や保育料の判定にも影響することがあるので、自分の状況をシミュレーションしてから決めるのが安全です。
AIは、たぶんClaudeじゃなくてもやってくれる
この体験で私が思ったのは、AIを「答えを教えてくれる便利機械」じゃなくて、「自分の手元の書類を一緒に読んでくれる相棒」として使う感覚でした。
私は今回Claudeに頼みましたが、たぶん同じことは ChatGPTでも Geminiでもやってくれるんだろうな、と思います。
どのAIを選ぶかより、「自分の状況をちゃんと投げてみる」「聞かれた書類を出す」「分からないところはスクショで送る」、この3つができれば、AIは想像以上に頼りになります。
ちなみに、最終的な判断や、税務署への提出書類の中身は、当然自分の責任です。
AIも要所要所で「最終的にはご自身で確認してください」と釘を刺してくれました。
ただし、私の場合は配当金の還付申告という比較的シンプルな話だったから、AIだけで完結しました。
複数口座を持っていたり、損失通算が絡んだり、自営業で経費の絡む話だったり、複雑な事例は、税理士に相談するほうが結局は安全だと思います。
AIに気軽に聞いて入口を知る → 自分の状況を整理する → 必要なら専門家に相談する、この順番が私には合っていました。
次の一手
もし、自分が配当金を受け取っていて、何もしていない、という方は、まず一度AIに状況を投げてみるのがおすすめです。
質問の入口は、私はこれくらいで十分でした。
「年に何回か配当金が口座に入ってきます。源泉徴収で完結しています。確定申告で取り返せる可能性はありますか?」
そこから先は、AIが必要な書類を一つずつ指示してくれます。
過去5年分、一気に確認できる週末を一日確保して、書類を並べて、聞かれたことに答えていく。
それで終わります。
ただし、私の失敗を繰り返さないために、最初に一つ確認してください。
「過去5年のうち、ワンストップ特例ではなく、ふるさと納税や医療費控除で確定申告書を自分で提出した年がありますか?」
ここで「ある」と答えた年は、残念ながらもう取り返せません。
それを踏まえた上で、取り返せる年だけでも、しっかり取りに行く。
私はそうして、3年分の還付金を取り戻しました。
※本記事の内容は2026年5月時点の制度を前提にしています。税制は変更される可能性があるので、実際の申告の際は国税庁の最新情報か、税理士にご確認ください。


