信託報酬の差、本当に計算したら500万円違った話。月3万円・30年で見た現実

信託報酬を30年で500万円計算した40代の電卓と紙 投資・NISA

以前、銀行のNISAからSBI証券に乗り換えた話を書きました(→ SBI証券でNISAを始めた話。銀行からの乗り換えで手数料が全然違った)。
その記事の中で「信託報酬が年率1%超だった商品から、0.1%台のインデックスファンドに変えた」とサラッと書きました。

でも、当時の私は、シミュレーターの結果をぼんやり眺めただけで、その差が「具体的にいくら違うのか」を腹の底から理解しないまま動いていました。

先日、ふと「あの時の差って、長期で本当はどれくらい開くんだろう」と気になって、自分でちゃんと計算してみました。
結論から書くと、思っていた何倍も大きい数字が出てきました。

信託報酬とは何か(30秒だけ説明)

投資信託を保有している間、毎年「運用してくれる会社」と「販売した会社」にお金を払い続ける仕組みになっています。
これが信託報酬。年率で表記され、自分の資産から自動的に差し引かれていきます。

ここで大事なのは2つ。
信託報酬は「払う側」が選べる費用だということ。
そして、長期で見ると、その差は想像以上に効いてくるということ。

銀行窓口とネット証券、相場が全然違う

私が銀行で買っていた投信は、信託報酬が年率1%超でした。
ネット証券で買えるインデックスファンドは、いま0.05〜0.2%が当たり前。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)あたりだと、年率0.05〜0.06%台です。

雑にまとめると、銀行窓口は1〜2%が普通、ネット証券のインデックスは0.1%以下、と覚えておけば、ほぼ外れません。

「たった1%の違い」と思いますよね。
私もずっとそう思っていました。

月3万円・30年で本当に計算してみた

本当に計算してみた

長期投資の感覚をつかむために、こういう前提で計算しました。

  • 毎月の積立額:3万円
  • 期間:10年、20年、30年
  • 年間リターン:7%(過去のS&P500の長期平均を仮置き。将来を保証する数字ではありません)
  • 信託報酬:0.1%、1%、2%、3%

結果がこれです。

【10年】
 0.1%:約510万円
 1.0%:約487万円
 2.0%:約463万円
 3.0%:約440万円
 → 0.1%と1%の差は約23万円。0.1%と2%の差は約47万円。

【20年】
 0.1%:約1,505万円
 1.0%:約1,360万円
 2.0%:約1,217万円
 3.0%:約1,092万円
 → 0.1%と1%の差は約145万円。0.1%と2%の差は約288万円。

【30年】
 0.1%:約3,444万円
 1.0%:約2,924万円
 2.0%:約2,446万円
 3.0%:約2,056万円
 → 0.1%と1%の差は約520万円。0.1%と2%の差は約998万円。

30年で、約500万円。
銀行窓口で買った投信を黙って持ち続けた人と、ネット証券のインデックスファンドに乗り換えた人で、これだけ差がつきます。
2%の商品なら、約1,000万円。
車1台どころの話ではありません。

ちなみに、投資元本は30年で3万円×12×30=1,080万円。
信託報酬の差だけで、その元本の半分近い金額が消える計算です。

なぜ、たった1%の差がここまで膨らむのか

複利の力、と言ってしまえばそれまでなんですが、もう少し具体的に書きます。

信託報酬は「資産残高」に対して毎年かかってきます。
最初は3万円積み立てた直後、資産が3万円のときも、何十万円になったときも、何百万円になったときも、毎年「資産残高の○%」が引かれていきます。
資産が大きくなればなるほど、引かれる金額も増えていきます。

しかも、引かれたお金は二度と運用に戻ってきません。
もし複利で増えていたら得られていたはずの利益も、引かれた瞬間に消えます。
これが、長期投資の中で信託報酬の差が雪だるま式に膨らむ仕組みです。

計算してみて、私はちょっとぞっとしました。
銀行で投信を買い続けていた10年間、もし0.1%の商品だったら、もう少し違う今があったかもしれない。
これは、終わったことなので考えてもしょうがないんですが。

私が今選んでいる商品

参考までに、現在の私の積立は、SBI証券のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と、高配当株(日本株)の組み合わせです。
インデックスファンドの方の信託報酬は、年率0.1%以下。
月の積立額がそれなりにあるので、この信託報酬の低さは、地味だけど確実に効いています。

eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)も同じくらいの信託報酬で、人気の選択肢です。
私はS&P500を選びましたが、オルカンでも結論はほとんど変わらないと思います。
このあたりの選び方は、別の記事で書きました(→ S&P500とオルカン、どちらにするか迷った話。私がS&P500を選んだ理由)。

銀行で勧められたら、確認するべきこと

もし、これから銀行窓口で投資信託を勧められる場面があったら、私なら絶対にこの2つを確認します。

ひとつ。
「信託報酬は年率何%ですか?」
担当者が即答できない、または「コストはほとんどかかりません」と言葉を濁す場合は、私は買いません。

もうひとつ。
「販売手数料はかかりますか?」
ネット証券のインデックスファンドは販売手数料ゼロが当たり前ですが、銀行窓口の投信には1〜3%の販売手数料が付くことがあります。
最初に元本の一部が引かれた状態でスタートする、ということです。

この2つを聞いた瞬間に席を立ってもいいくらい、私は思っています。

次の一手

もし、自分が今持っている投資信託の信託報酬がよく分かっていない、という方は、5分でできる確認があります。

  • 証券口座の取引画面、または「目論見書」のPDFを開く。
  • 「信託報酬」または「運用管理費用」と書かれた欄を見る。
  • 年率何%か確認する。

ここが1%超なら、ネット証券の0.1%台に乗り換えるだけで、長期では数百万円単位で結果が変わる可能性があります。
ただし、含み益が出ている特定口座の商品を売って買い直すと、譲渡益課税が発生します。
NISA口座の中なら非課税のまま動かせるので、まずNISA口座の中身から見直すのが、私の経験では一番効率的でした。

※本記事の試算は年率7%という前提を仮置きしたものです。実際の運用成績はこの数字を上回ることも下回ることも、マイナスになることもあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。

タイトルとURLをコピーしました