高配当株を持っているので、年に何回か、配当金が口座に入ってきます。ありがたい話なのですが、金額が少しずつ増えてくると、ふと別の不安が頭をよぎりました。「配当が増えると、社会保険料も上がるんじゃないか?」
私は毎年、配当控除と、外国株の税金を取り戻す外国税額控除のために、確定申告をしています(そのいきさつは 配当の税金を取り返した話 に書きました)。申告するということは、その分、所得が増えて見えるわけです。だったら、健康保険料や年金の負担も上がるんじゃないか——そう気になって、調べてみました。今日は、その結論と、私がどうすることにしたか、の話です。
申告すると所得が増える。だったら社保も?
不安の正体は、わりと単純です。社会保険料は所得に応じて決まる、というイメージが、なんとなくありますよね。だから、配当を申告して所得が増えれば、その分 社保も増えるはずだ——と、頭の中で勝手に結びつけてしまったんです。
しかも私は、税金を取り戻すために、わざわざ申告しています。税金は戻ってきても、その裏で社会保険料のほうがもっと上がっていたら、差し引きで損をしているかもしれない。そう考え出すと、気になって仕方がありませんでした。
調べて分かった:会社員の社保は「給料」で決まる
先に結論を書くと、私の心配は、ほとんど取り越し苦労でした。
会社員の社会保険料(健康保険・厚生年金)は、基本的に「給料」で決まります。もう少し正確に言うと、だいたい4月から6月の給与をもとにした金額で、その年の保険料が決まる仕組みです。ここで大事なのは、株の配当のような投資の利益は、この計算に入らないこと。だから、会社員でいるうちは、配当をいくら受け取って確定申告しても、それだけで会社の社会保険料が上がることは、基本的にありません。
これを知って、ずいぶん肩の力が抜けました。実際、配当を確定申告した年も、給与明細に天引きされている社会保険料の額は、前の年と変わっていませんでした。几帳面に毎月の明細を見ている私が言うので、ここは確かです。税金を取り戻すために申告しても、社保で足をすくわれるわけではない。だったら、申告をためらう理由はありません。
ただし、油断できないところもある
とはいえ、まったく何も気にしなくていい、というわけでもありませんでした。私が頭に置いているのは、二つです。
一つは、申告すると住民税の側にも配当の所得が乗ること。2023年分からは、所得税と住民税で扱いを揃えるルールに変わりました。会社の社会保険料は給料で決まるので響きませんが、人によっては、扶養の判定など、別のところに影響する場合があります。
もう一つが、じつは本命です。会社を辞めて、国民健康保険に移ったあと。国民健康保険は、前年の所得で保険料が決まるので、配当を申告すると、保険料が上がることがあります。つまり、いまは関係なくても、退職した先(出口)では、配当が社保に効いてくる。ここは、出口戦略として頭に入れています(出口の話は 投資の出口を考え始めた記事 に書きました)。
私が決めたこと
調べたうえで、私が決めたのは、こうです。会社員でいるうちは、社保を心配して申告をためらうより、配当控除と外国税額控除で、取り戻せる税金はしっかり取り戻す。社保は給料で決まるので、申告しても上がらない。むしろ、申告しないほうが、もったいない。
そして、退職して国民健康保険に移るタイミングが近づいたら、そのときは申告の仕方を、あらためて考え直す。会社員のいまと、退職したあととでは、有利なやり方が変わるからです。お金のことは、「いまの自分の立場」で考えないと、答えを間違えます。同じ配当でも、会社員か、国保の人かで、付き合い方がまるで違うわけです。
まとめ:不安の多くは、調べると小さくなる
振り返ると、「配当が増えたら社保が上がるかも」という不安は、調べてみたら、会社員の私には、ほとんど当てはまりませんでした。漠然と怖がっていただけで、正体を知れば、たいしたことはなかったんです。
お金の不安って、たいていこれだな、と思います。よく分からないから、なんとなく怖い。でも、一つずつ「自分の場合はどうか」をはっきりさせていくと、たいてい小さくなる。高配当株そのものの現実は 高配当株投資の現実の記事 にも書いたので、あわせてどうぞ。なお、私は税理士ではないので、実際の申告は、最新の制度を国税庁の情報や専門家で確認するのが安全です。


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