高配当株投資の現実。「配当金生活」に憧れる前に知っておいてほしいこと

高配当株の配当金記録を見る40代の家計デスク 投資・NISA

SNSやネットで「配当金生活」「優待でゆるゆる生活」みたいな投稿を見かけることがあります。見ていると「いいなあ」と思う気持ちはわかります。私も最初はそういうイメージを持っていました。

ただ、その「いいなあ」という気持ちのまま、配当利回りが高いだけの銘柄に飛びつくと痛い目に遭います。高配当株投資には落とし穴が多い。自分なりに試行錯誤してきた経験から、知っておいてほしいことを書きます。

配当金生活のリアルな数字

まず、配当金だけで生活するためにどれだけの元本が必要か、現実の数字を見てみます。

配当には約20%の税金がかかります。手取りベースで考えると、利回り4%でも実質的な受取率は約3.2%になります。

欲しい配当(手取り)必要な元本(利回り4%)
月10万円(年120万円)約3,800万円
月20万円(年240万円)約7,500万円
月30万円(年360万円)約1億1,300万円
年500万円(月約42万円)約1億5,700万円

「年500万の配当なら元本1億2,500万では?」と思うかもしれませんが、それは税引き前の話。実際に手元に残る金額は約398万円です。税引き後で500万受け取ろうとすると、約1億5,700万円の元本が必要になります。

ちなみに、NISAの成長投資枠を使えばこの税金がかかりません。高配当株を成長投資枠で持つのは、非常に相性が良い使い方だと思っています。

「配当金生活」は夢ではありませんが、そのスケール感はSNSで語られるほど簡単ではない、というのが現実です。

「高配当=良い銘柄」ではない

配当利回りが高い銘柄は、一見魅力的に見えます。ただ、株価が下がっているから相対的に利回りが高く見える、というケースが少なくありません。

業績が悪化して株価が下落している会社が、過去の配当水準をギリギリ維持しているだけ——こういう銘柄を掴んでしまうと、配当が減額・廃止されたうえに含み損も抱えるという最悪のパターンになります。

目先の利回りより、「その会社が今後も配当を出し続けられるか」を見ることが大事です。

私がやっていること

投資先は米国株と日本株が中心で、その他の地域の銘柄は少しスパイス的に持っている程度です。

米国の高配当株はETFで持つようにしています。理由はシンプルで、すでに「良い詰め合わせパック」があるからです。優良な高配当銘柄をまとめて持てるETFが存在するので、わざわざ自分で銘柄を選ぶ必要がありません。英語で個別銘柄の分析をやり続けるのも正直しんどいですし、ここはETFに任せるほうが合理的だと判断しました。

日本株については、自分で高配当株を選んで持つ「自作の高配当ファンド」みたいな形にしています。銘柄を選ぶ作業が面倒といえば面倒なのですが、これが意外と楽しくて。決算資料を読みながら「この会社はしばらく配当を減らさなそうだな」と判断していく感覚は、インデックス投資にはない面白さがあります。

分散は最低40銘柄を目安にしています。1〜2銘柄への集中は絶対に避ける。どんなに良さそうに見えても、1社の業績が傾けばそれで終わりになってしまうので。

そして買ったら基本的に売りません。よっぽどのことがない限り鬼ホールドです。目先の株価の上がり下がりより、「配当が減っていないか」だけを見ています。配当が維持されていれば、株価が多少下がっていても動じない。この感覚に慣れるまでが一番しんどかったですが、今はだいぶ落ち着いて持てています。

インデックス投資との比較について正直に言うと

多くの人にとって、資産形成はインデックスファンドが主力で十分だと思っています。手間がかからないし、長期では高配当株戦略がインデックスに勝てる保証もどこにもありません。

それでも自分が高配当株もやっている理由は、「今の生活を豊かにする現金フロー」が欲しかったからです。インデックスは老後のお金で、基本的に売らない。一方で高配当株からの配当は今使えるお金として扱っています。配当が少しずつ積み上がっていく感覚、含み益が育っていく感覚——この満足感と安心感が、投資を続けるモチベーションになっています。

「やってみたい」と思ったら

高配当株投資は、完全自己流でいきなり始めると痛い目に遭いやすいです。

まずは先人の投資方針や銘柄選びの考え方を学んでから、自分で試行錯誤する、という順番をおすすめします。「なんとなく利回りが高いから買ってみた」が一番危ない入り方です。

インデックス投資と比べると手間はかかります。それでも、自分で選んだ銘柄の配当が入ってくる体験は、なかなか面白いものがあります。

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