株主優待を一度ちゃんと買って、結局やめた理由。「半額」につられて「半値」をつかんだ話

テーブルの上の薄い割引券と硬貨の山(株主優待より現金を選ぶイメージ) 投資・NISA

株主優待。やったことがある人なら分かると思いますが、あれは、ちょっとした楽しみです。私も一度、ちゃんとやってみたことがあります。ある会社の「自社サービスが半額になる」優待につられて、その株を買いました。

投資を始めて10年以上になりますが、いちばん分かりやすい失敗のひとつが、この優待株でした。先に書いておくと、私はもう、優待目当てで株を買うのをやめています。優待そのものが悪かったわけではありません。それでも「もらえるものなら、現金がいちばんいい」と、身をもって学んだんです。今日は、その話を書きます。

「半額になる」につられて、買った

その優待は、その会社のサービスが半額(5割引)で使える、というものでした。私はもともとそのサービスを使うことがあったので、「これは実質、ずっと割引が効くようなものじゃないか」と、ずいぶんお得に感じたんです。

正直に白状すると、このとき私は、会社の中身を、たいして見ていませんでした。業績はどうなのか、これから伸びる会社なのか。そういう肝心なところより、見ていたのは「優待でいくら得するか」だけ。いわゆる優待利回りの高さで、買う・買わないを決めていました。今思えば、これがそもそものボタンの掛け違いでした。

サービスは半額。でも、株は半値になった

しばらくして、その株は、じわじわと値下がりしていきました。最終的に、買ったときの、ほぼ半分でした。買値のおよそ50%、つまり半値です。

苦笑いしてしまったのは、その対比でした。サービスは半額で使える。でも、株そのものが半値になっている。優待で浮くのは、せいぜい年に数千円ほど。それが、株価が半分になった損の前では、文字どおり焼け石に水でした。「半額、半額」と喜んでいたら、足元で「半値」になっていた。お得を取りにいったはずが、しっかり損をしていたわけです。

もちろん、株価が下がったのは優待のせいではありません。私の銘柄選びが甘かった、ただそれだけです。でも、その「甘さ」を生んだのが、優待のお得感でした。ここが、私にとっては大きな反省点になりました。

優待は、「その株を持つ理由」を曇らせる

優待のいちばん怖いところは、肝心の判断を、にぶらせることです。

本来、株を買うなら、「この会社を持ち続けていいか」を、いちばんに考えるべきでした。でも、目の前に「半額」という分かりやすいお得がぶら下がっていると、そっちに気を取られて、肝心の判断が後回しになる。私はまさに、それをやりました。優待という“おまけ”のために、“本体”の判断を間違えたんです。

それに、優待には、もうひとつ厄介なところがあります。「優待が惜しくて、売りどきに売れない」。値下がりしても、口座を開くたびに赤い含み損の数字を見ては、「でも優待があるしな」と自分に言い訳して、ずるずる持ち続けてしまう。これも、私が実際にやってしまったことでした。

もらえるなら、やっぱり現金がいい

この一件で、私の考えは、はっきりしました。もらえるものなら、優待より現金(配当)のほうが、ずっといい

現金には、優待にない強さがあります。使い道が自由で、そのサービスを使わない月でも、ちゃんと価値がある。特定の会社に縛られないので、「この会社、もう持ちたくないな」と思えば、すっと手放せる。優待のように「使う人にしか得がない」ということもありません。配当だって減ることはありますが、それでも、モノやサービスより、現金のほうが、ずっと応用が利くんです。

だから今は、個別の優待を追いかけるのはやめて、現金で受け取れる高配当株と、インデックスの積立に戻っています(このあたりの配分は 積立の配分を公開した記事 にそのまま書きました)。お得そうに見えるおまけより、地味でも自由がきく現金。これが、遠回りしてたどり着いた、私の結論でした。

まとめ:優待は楽しい。でも、銘柄選びの理由にはしない

誤解のないように書くと、株主優待そのものを否定する気はありません。応援したい会社の優待を、楽しみとして受け取るのは、いいことだと思います。私が間違えたのは、「優待のお得さ」を、銘柄を買う理由のいちばん上に置いてしまったことでした。

順番が、逆だったんです。まず「この会社を持ちたいか」があって、優待はそのあとの“おまけ”。そこを取り違えると、私のように「半額」を取りにいって「半値」をつかむことになる。高配当株そのものの怖さについては 高配当株投資の現実の記事 にも書きました。もらえるなら、現金が一番。これが、痛い授業料を払ってたどり着いた、いまの私の答えです。

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