ボーナスの時期になると、毎年同じことで悩んでいました。「これ、一気に投資に入れるべきか、何回かに分けるべきか」。
先に私の結論を書いてしまいます。いまは迷わず、入った月にそのまま入れています。ただし最初からできたわけではなく、ここまで3段階ありました。怖かった時期の自分には「半分ずつ」の折衷案が効きました。どの段階の人にも答えが変わる話なので、順番に書きます。
理屈の上では、答えらしきものがあるのは知っています。長い目で見れば、早く入れたほうが、お金が働く期間が長くなるぶん有利になりやすい、という話です。過去のデータでは多くの場合、一括のほうが分割より結果が良かった、という検証もいくつも読みました。
ただし、これはあくまで「過去はそうだった」という傾向であって、来月の保証ではありません。そして何より、当時の私は理屈どおりに動ける人間ではありませんでした。
第1段階:一括で入れて、夜に何度も口座を見ていた
数年前、思い切って一括で入れた年がありました。理屈に従ったわけです。
結果から言うと、金額の上では特に失敗ではありませんでした。問題は私のほうで、入れた直後に相場が下がった2週間、夜に何度も証券口座のアプリを開いていました。減っていく数字を見て、何かできるわけでもないのに。妻に「また見てるの?」と言われた回数で、自分の落ち着きのなさが分かりました。
このとき学んだのは、投資のやり方には「理屈の正解」と「自分が平常心でいられる正解」の2つがあって、ずれることがある、ということです。理屈が正しくても、夜眠れないやり方は、私には続きません。
第2段階:「半分その場・半分3ヶ月」という補助輪
それで翌年から数年間やっていたのが、折衷案です。
ボーナスから投資に回すと決めた額のうち、半分はその月に入れる。残り半分は3で割って、毎月の積立設定に3ヶ月だけ上乗せする。理屈の有利さも半分、安心も半分、という考え方です。中途半端と言われればそのとおりですが、この形にしてから、夜にアプリを開く回数が目に見えて減りました。
実務的には難しいことはありません。半分は支給日の週に証券口座からスポット購入。残り半分は、毎月の積立設定の金額を3ヶ月だけ増額しておくだけ。設定をいじるのは年2回、ボーナスのあとだけです。あとは自動で進むので、途中で相場を見て迷う余地が消えます。
いま振り返ると、これは自転車の補助輪のようなものでした。「入れた直後に下がっても、残り半分は安く買える」と思える。これがお守りみたいに効いて、相場を気にして見に行くことが減りました。
第3段階:いまは「入った瞬間に流す」だけ
そして数年経った今は、悩むこと自体をやめました。ボーナスが入ったら、投資に回すと決めてある分を、そのまま流す。以前「ボーナスは幻と思って暮らす」という記事に書いたルーチンです。
折衷をやめられたのは、勇気が出たからではありません。相場が下がる時期を何回か経験して、「下がっても売らずにいたら、いつの間にか戻っていた」が積み重なったからです。補助輪は、外そうと頑張って外したのではなく、気づいたら要らなくなっていました。
ちなみに「いくら投資に回すか」は順番で決めています。先に手取り額を把握して(ボーナスから引かれるものの話は先日書きました)、生活防衛費が目減りした年はまず補填。満タンなら——たいていの年はそうですが——決めてある割合をそのまま投資へ。考えることが減るほど、続けるのは楽になります。
自分がどの段階かは、夜の行動で分かる
どの段階にいるかの見分け方は、シンプルだと思います。入金した夜、口座を見に行ったかどうか。
見に行って、数字にドキドキしたなら、まだ補助輪があっていい時期です。見に行かなかったなら、あるいは見ても「ふーん」で閉じられたなら、もう迷わなくて大丈夫。私はここまで数年かかりました。何年かかっても、別に悪いことではありません。
まとめ:いまどの段階かで、答えは変わっていい
- 理屈の上では一括が有利になりやすい。ただし保証はなく、夜眠れないやり方は続かない
- 一括が怖いうちは「半分その場・半分3ヶ月」のような補助輪が現実的。私は数年これで走った
- 下落を何度か通過すると、補助輪は自然に外れる。いまの私は「入った瞬間に流す」だけ
一括か分割かは、どちらが上という話ではなく「いま自分がどの段階にいるか」の話でした。8年前の私に一括をすすめても、たぶん夜眠れなくてやめていたと思います。怖いうちは、怖い自分に合わせたやり方でいい。投資は続いた人が勝つ世界なので。
今日できることをひとつだけ。次に入金したら、その夜に自分が口座を見に行ったかどうか、覚えておいてください。それだけで、自分がいまどの段階にいるか分かります。やり方を決めるのは、それからで十分です。
※投資判断はご自身の責任で。制度・商品の正確な情報は公式サイトでご確認ください。



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