投資の最初の壁は、相場じゃなくて家族だった。頭ごなしにせず、不安を消していった話

窓辺のテーブルで向き合う2つのマグカップ・家族で投資を話し合うイメージ 投資・NISA

投資を8年続けてきて思うのは、多くの人にとって最初の壁は、暴落でも銘柄選びでもなく「家族」だということです。

投資を始めたくても、家族の反対で踏み出せない。この話は本当によく聞きます。職場にも、奥さんに隠れてこっそり積み立てている人がいる。「配当金の通知が郵便で届くと、それでバレるからやめておく」と真顔で言う人もいました。

でも、だからといって投資をやらない、という結論にはしたくない。正直に言えば、私は今の時代、投資をまったくやらないことのほうが、かえってリスクだと思っています。問題は「やるかやらないか」ではなく、「どうやって家族に理解してもらうか」のほうです。

家族が反対する理由は、だいたい3つ

「投資なんてギャンブルでしょう」「うちにそんな余裕はない」「投資はお金持ちがやることだ」。家族の反対は、だいたいこの3つに分かれます。

どれも半分は誤解ですが、そう思ってしまうのも無理はありません。テレビで流れるのは、値動きに一喜一憂するデイトレーダーだったり、大損して退場した人の話だったり。「投資=危ないギャンブル」というイメージは、それなりの根拠があって作られています。だから、頭ごなしに「それは間違いだ」と返しても、話はこじれるだけでした。私自身、最初それで失敗しています。

我が家も、妻は反対派だった

私が「インデックス投資を始めたい」と言ったときの妻の第一声は、「それ、また損するやつじゃないの?」でした。

無理もありません。私は過去に、よく分からないまま外貨建ての保険や手数料の高い投資信託に手を出して、それなりの額を溶かしている。妻はそれを横で見ていた。「投資」と聞いて身構えるのは、当然の反応でした。

まず、自分がちゃんと勉強し直した

相手の不安を取り除くには、まず自分が分かっていないといけません。中途半端な知識で「大丈夫だから」と言っても、説得力はゼロです。

だから私は、説得する前に、もう一度きちんと勉強し直しました。手数料が長期でどれだけ効くか、長期投資と短期売買は何が違うか、過去の暴落から市場はどう回復してきたか。自分が腹落ちしていれば、相手の質問にも慌てず答えられる。逆に、自分がふわっとしか分かっていないと、その不安は、そのまま相手に伝わってしまいます。

頭ごなしに、否定しない

「投資はギャンブルでしょ」と言われると、つい「違う」と即座に返したくなる。でも、そこをこらえる。

まず「そう思うよね、昔の私もそう思ってた」と一度受け止める。頭ごなしに否定された人は、もう耳を貸してくれません。相手の不安は、まず正しいものとして受け取る。話はそこからでした。

不安は、相手のパターンに合わせて消す

家族が何を不安に思っているかは、家庭によって違います。だから、響く伝え方も違う。

「ギャンブルだ」と思っている人には、毎月コツコツ積み立てる長期投資が、デイトレとどう違うかを。「余裕がない」と思っている人には、月千円のような少額からでも始められることを。「お金持ちがやること」と思っている人には、むしろ普通の会社員こそ、時間を味方につける意味があることを。

そして、言葉だけでなく行動でも示す。生活防衛資金を投資とは別の口座に分けて「ここは絶対に手をつけない」と見せる。最初は自分の小遣いの範囲で始める。増えても減っても、数字を隠さない。妻の不安は、議論ではなく、こういう積み重ねで少しずつ溶けていきました。

「隠れてやる」のは、おすすめしない

冒頭の、隠れてやっている人の話に戻ります。気持ちはわかる。説明の労力も、反対される気まずさもない。

でも、配当の通知に怯えながら、口座を見られないかとヒヤヒヤしながら続けるのは、しんどいと思う。お金を増やそうとして、家の中に隠しごとが増えていくのは、何かが逆な気がします。私は、隠さない方を選びました。

それでも、関係を壊してまでは、やらない

ここだけは、はっきりさせておきたいことです。

家族の理解を得る努力はする。でも、説得がうまくいかず、関係がギクシャクするくらいなら、ペースを落とします。お金は、自由になるための道具です。その道具のために、いちばん身近な人間関係を壊してしまったら、何のためのお金か分からない。

だから「やらない」ではなく、「急がない」。今日ダメでも、半年後、一年後に、また話せばいい。勉強を続けて、不安を一つずつ消して、時間をかけて理解してもらう。投資はそもそも、時間をかけてやるものですから、家族の理解も、同じペースでいいと思っています。

まとめ

投資をやらない、という選択は、私の中にはありません。でも、家族を置き去りにして突き進む、という選択も、ありません。

まず自分が勉強する。頭ごなしに否定しない。相手のパターンに合わせて、不安を一つずつ消す。隠さない。そして、関係のほうを、いつもお金より上に置いておく。——遠回りに見えて、これがいちばん長続きする方法だと、8年やってみて思います。

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